人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 太陽の塔。 ちゃりんこデート。 >>

雪の修学院。

昨日の京都は一層冷え込み、マイナス0.3度だったらしいです。
修学院に用事があったので、比叡山電鉄に乗り換える為に出町柳で地上に出たら、
ハラハラと白い雪が舞っていて、それはそれは風情があって美しい光景でした。

修学院とは唐長の工房がある場所で、そこを訪ねて参りました。
唐長とは京都で約400年前に創業した唐紙屋さんで、
二条城や桂離宮をはじめ、ホテルやレストラン、一般家庭の襖紙を、
代々受け継がれてきた板木を使ってしつらえ続けているところです。

ふるいという道具に顔料をぬり、板木と呼ばれる型に色をやさしくのせて、
そこに和紙をそっとのせてバレン等は使わずやさしく手で押さえて
一枚ずつ丁寧に文様を和紙に写し取っていきます。
その作業を何回か繰り返して襖一枚が出来上がります。

その行程を少しだけ拝見したのですが、
非常にシンプルでありながら、繊細で美しく、
故に高度な技術が必要な作業なのだと感じました。

板木の種類は唐長に伝わるもので650種類程あり、
現在は半分くらいを使って作業をしているそうです。
また、板木が傷まないようにと休ませる事もあるそうで、
板木に対する愛情は深く、ものを大事に扱う事の大切さを改めて認識します。

修学院の壁や棚の戸袋などにも唐紙がしつらえてあって、
トーンを落としたアンティークランプから放たれる温かい灯りにともされて
唐紙がキラりと輝く風景は、決して和風ではないし、かといって洋風でもない、
何とも言えない温もりと居心地の良い空間を作り出しているのです。

唐長は生活の一部でありながら、芸術作品なのであります。
美しいものに囲まれた生活。
大好きなものに囲まれた生活。
あぁ、夢のまた夢のようです。。。

唐長11代目当主の奥様は
「これが欲しいと思ったら、すこし我慢してでも手に入れるべし」
そして、「願いは、強く願うべし」とおっしゃいます。
いいものは、やっぱりいいもので、
食器にしても、家具にしても、やはり頑張って気に入った良いものを手に入れたら、
代々受け継いで使えるし、自信を持って使えるし。
すぐに使わなくても、しばらく飾っておいてもいいし、と。

実際に奥様の選ばれる品々は本当に素敵で、
その上使い勝手が良いものばかり。
そのセンスに脱帽です。

唐長には2つのショップと工房があります。
一つは四条烏丸にあるココン烏丸ビルに入っている四条烏丸店。
こちらはカードや便箋、金封などの小物を扱っています。
気軽に唐長の文様を楽しめるように、と11代目当主の長女夫婦がプロデュースしている新しいお店です。

2つ目は三条サロン。こちらは四条烏丸店とはガラリと雰囲気が違ったサロンです。
壁や天井にも唐紙がしつらえてあり、11代目当主の作品が所々に飾られています。
ほのかな灯りの中で浮かび上がるキラが本当に美しく、
広い面でしつらえてある唐紙を見れるので、
実際にどんな感じで生活できるのかを見る事が出来るショールーム的存在でもあります。
洗面所にも唐紙が張ってあり、見所の一つです。

工房は私が今回訪れた修学院にあります。
こちらでは襖や屏風等のオーダーを相談できる場所でもあります。
100〜200枚程あるサンプルもあります。
作り置きがあればすぐにその場で唐紙を購入する事も可能です。
工房は通常一般には公開されていませんが、
奥様とのお話の中で見せてくれるかも?!

この他に、実は非公開の場所がひとつ。
そちらでは展覧会を行ったり、特別なパーティが行われたりしています。
ダイニングも、和室も、廊下も、お手洗いも、リビングの天井、壁にはもちろん唐紙がしつらえてあり、生活と共に唐紙を楽しめる事を実感できます。

唐長。
そこには生活と切っても切れない繋がりがあります。
今は無理でも、いつかは唐紙を貼った部屋で生活してみたい。
二条城や桂離宮で昔のお殿様が過ごした部屋と全く同じしつらいをしてもらう事だって可能なのです。
夢は無限に広がります。
まずは四条烏丸店でカードから、あるいは小さな額から、お皿から、
唐長を生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか。

良いものは良い。
良いものに囲まれると、幸せ。
ただそれだけなんです。
唐長HP http://www.karacho.co.jp/
雪の修学院。_f0179202_96336.jpg


雪の修学院。_f0179202_942883.jpg雪の修学院。_f0179202_943688.jpg
by han-nari-days | 2009-02-18 09:01 | travel/京都
<< 太陽の塔。 ちゃりんこデート。 >>